アカデミー賞の番狂わせランキングです。歴代のオスカー作品賞の中で、最も予想外の結果(サプライズ、アップセット)となった作品のトップ15。 1位は、映画史上の最高傑作と言われる「市民ケーン」が敗北した1942年です。
Tweet順位 | 受賞作 | 事前予想の最有力 | 年 | |
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1 | 「わが谷は緑なりき」
炭鉱夫の家族の心あたたまる交流を描く。 平凡な人生を人間的に謳い上げた叙事詩。 最多10部門にノミネートされており、最有力の一角ではあった。 「家族の団結」という戦時下に受け入れられやすいテーマだったことが、得票につながったと言われている。 |
← | 「市民ケーン」
映画史上、最高の傑作として語り継がれている。 本作がベストだとの評価は、当時のアカデミー会員の多くも認めていたという。 しかし、映画の主人公のモデルとなった新聞王ハーストが腹を立て、作品に対する攻撃を展開したことが、投票に響いた。 26歳の新人監督へのやっかみもあったとされる。 予告編(Amazon)→ |
1942年 |
2 | 「恋におちたシェイクスピア」
ハリウッドの辣腕プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインの猛烈なキャンペーンの威力が発揮されたと言われる。ただ、作品自体は一般の人たちには好かれており、とくに女性の間ではサプライズ受賞を喜ぶ声が多かった。 予告編(Amazon)→ |
← | 「プライベート・ライアン」
名匠スピルバーグ監督が生んだ名作。戦争映画の最高峰として評価されている。 |
1999年 |
3 | 「ロッキー」
無名の主演(スタローン)と無名の監督による低予算映画。しかも、アカデミー賞で不利となる大衆的なスポーツ映画。 |
← | 「大統領の陰謀」
「タクシードライバー」 「ネットワーク」 この年は歴史的な名作に恵まれ、オスカー史上最大の激戦となった。 |
1977年 |
4 | 「クラッシュ」
映画の公開時期が春だったため、不利だった。前哨戦でも負けが続いていた。授賞式で発表したジャック・ニコルソンも、驚きの表情だった。 授賞式の発表の瞬間→ |
← | 「ブロークバック・マウンテン」
台湾のアン・リー監督による同性愛の恋愛映画。監督賞は予想通り獲得したが、作品賞は逃した。授賞式後、アンリー監督もショックを隠せない様子だった。 |
2006年 |
5 | 「地上最大のショウ」
オスカー作品賞の受賞作の中で、評論家の評価が最も低い。 |
← | 「真昼の決闘」 | 1953年 |
6 | 「炎のランナー」
英国作品。バンゲリスによる作曲賞は予想されていたが、それ以外に作品賞、脚本賞、衣装デザイン賞を獲得。番狂わせの4冠となった。授賞式の会場は驚きに包まれた。 |
← | 「黄昏」 「レッズ」 「レッズ」は12部門ノミネート、「黄昏」は9部門ノミネート。作品賞はこの2作の一騎打ちと予想されていた。ところが、7部門ノミネートの「炎のランナー」が勝利した。 |
1981年 |
7 | 「ブレイブハート」 | ← | 「アポロ13」 | 1996年 |
8 | 「パラサイト 半地下の家族」 | ← | 「1917 命をかけた伝令」 | 2020年 |
9 | 「我が道を往く」 | ← | 「深夜の告白」 | 1945年 |
10 | 「ムーンライト」 | ← | 「ラ・ラ・ランド」 | 2017 |
11 | 「スポットライト 世紀のスクープ」 | ← | 「レヴェナント 蘇えりし者」 「マネー・ショート」 |
2016 |
12 | 「巴里のアメリカ人」 | ← | 「陽のあたる場所」 「欲望という名の電車」 |
1951年 |
13 | 「ドライビング Miss デイジー」 | ← | 「7月4日に生まれて」 | 1989年 |
14 | 「フォレスト・ガンプ/一期一会」
高い評価を得た名作だが、他のノミネート作品も名作だったため、厳しい争いが予想されていた。 |
← | 「ショーシャンクの空に」 「パルプ・フィクション」 この2作品は、熱狂的ファンが多い。このため、作品賞を逃したときのショックは大きかった。 |
1995年 |
15 | 「ミリオンダラー・ベイビー」
クリント・イーストウッド監督による低予算のやや地味な映画。オスカー前哨戦では、ほとんど勝てなかった。 |
← | 「アビエイター」 | 2005年 |
16 | 「グリーンブック」 | ← | 「ROMA/ローマ」
この年の最多ノミネート。 前哨戦での勝率も高く、有力視されていた。 受賞すれば「ネット配信会社の映画で初」「外国語の映画で初」という快挙だった。 |
2019年 |